神奈川県、川崎市、公益財団法人川崎市産業振興財団、かながわ再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)
厚生労働省、経済産業省(予定)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、
日本製薬工業協会、一般社団法人 欧州製薬団体連合会、湘南ヘルスイノベーションパーク
LiSE(川崎生命科学・環境研究センター) 1F大会議室
〒210-0821神奈川県川崎市川崎区殿町三丁目25-13
オンライン(Zoom)
会場参加 60名
オンライン参加 100名
※参加無料・事前登録制
※会場から参加希望の場合は、申込先着順で定員になり次第締め切ります。
会場参加 11月22日(火)
オンライン参加 11月22日(火)
開会挨拶 | 14:00~ | |
14:15~ | 「神奈川県・川崎市のライフサイエンスの取組について」 大木 健一 髙梨 憲爾 |
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第1部:基調講演 |
モデレーター大脇 健二 |
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講演1
小島 伸彦 |
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講演2
「ヘルスケア現場の課題を解決したい:シーズ・ニーズマッチングの手法と事例」 ※オンラインでの講演となります。 島岡 未来子 |
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講演3
登崎 涼 |
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16:05~16:15 休憩 |
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第2部 | 16:15~ | パネルディスカッション
※参加者から事前に質問を募集して、それをもとにディスカッション・質疑応答を行います。 モデレーター 杉田 真 パネリスト ・小島 伸彦 エコセル株式会社 取締役CTO |
閉会挨拶 | 17:00~ | ※シンポジウム終了後、会場参加者のみ名刺交換会を行います。 |
日時:2022年11月25日(金)15:00~17:00予定
ナノ医療イノベーションセンターと株式会社遺伝子治療研究所の2機関
(株式会社遺伝子治療研究所は、会議室での企業紹介及び意見交換となります)
締切:11月10日(木)
定員:20名
集合場所:開催近くになりましたら、参加予定者にお知らせします。
※申込先着順で定員になり次第締め切ります。
※見学ツアーのみの参加(シンポジウム不参加)も可能です。
PhRMA Translational Research Symposium運営事務局(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)
MAIL:yss@jc-inc.co.jp
第1部:講演1 講師
第1部:講演2 講師
第1部:講演3 講師
第2部:パネリスト
Catalys Pacificの創業メンバー。
革新的な化合物の研究開発推進に際して、ベンチャーキャピタル(VC)自らが主導して創薬ベンチャーをインキュベーションする「カンパニークリエーションモデル」を実行する。
Catalys Pacificの創業以前は、モルガン・スタンレー証券において投資銀行業務に従事し、ヘルスケア領域における多数のM&AやIPOを含む資金調達を遂行。
第2部:パネリスト
「弱小研究室の絶望を希望にかえる大学発ベンチャーへの挑戦」
なぜ、大学発ベンチャーに挑戦するのか。その動機は百人百葉であろう。「世界に伍するユニコーン企業を目指す」といった動機はもちろん大変素晴らしい。しかし「弱小研究室のさまざまな悩みを乗り越える」という幾分小さな動機もあってもよいのではないか。本講演では、限られたリソースに縛られた研究活動の限界を突破することを夢見て、大学発ベンチャーの起業に挑戦した演者の例を紹介させていただきたい。
演者にとって、大学発ベンチャー挑戦の原点は博士課程在籍時にある。恩師である宮島篤先生は、私が常にベンチャーを意識するきっかけを与えてくださった。当時は、宮島先生がカリフォルニア州パロアルトのDNAX研究所から日本に戻られて、数年が経過した頃であった。宮島先生は学生の我々に、DNAX研究所が若手研究者にとっていかに理想郷であったかを熱く語っておられた。また、ベンチャーに挑戦するために日本に戻ってきたともお話されていた。その後、宮島先生は新しく取り組んだ研究で積極的に特許を申請し、実際にベンチャーを立ち上げるところまで示してくださった。宮島先生は「基礎研究」と「民間資本」というものが決して相反するものではなく、双方が高いレベルで見事に融合することや、ベンチャーが若手研究者のキャリアパスを支えるものであることを日本でも証明されたかったのではないだろうか。
演者は学位取得後、4つの研究室でキャリア形成を行ってきた。その時々に特許申請に挑戦しており、産学連携を強く意識していたといえよう。およそ10年前に横浜市立大学で独立准教授として採用された演者は、やはり特許取得に取り組みつつも、研究資金やマンパワーに乏しい弱小研究室の限界に直面することになる。しかし、このような状況の研究室にこそ、大学発ベンチャーという選択肢が用意されていると信じたい。その動機は恩師には遠く及ばないものであるが、弱小研究室を運営する中で自分なりの理想郷を目指して起業に至った過程、さまざまな事情についてお伝えしたい。
「ヘルスケア現場の課題を解決したい:シーズ・ニーズマッチングの手法と事例」
ヘルスケア現場の課題を解決したい、という熱意は、関連の研究に取り組む研究者の多くに共通のものかと思う。解決に向けた手段のひとつとして、新しい製品やサービスの開発がある。開発にはシーズ主導とニーズ主導のふたつの方向性がある。シーズ主導は文字通り、何等かの技術開発がまずあり、その社会実装、製品化を模索し、マーケットを開拓していく。ニーズ主導は、社会課題や、現場にのっぴきならないニーズや課題があり、それらを解決するために、製品やサービスを開発し、必要な技術開発を行う。
ニーズとシーズがうまく合致すれば、課題解決に向けた良い製品やサービスを創出できる可能性は高くなる。しかし現実にはそう簡単ではない。そのため、様々な手法や、産官学によるマッチングシステムの形成が試みられている。本報告では、特にアントレプレナーシップ教育やイノベーション教育の領域で取り入れられている、シーズ主導とニーズ主導のイノベーションをけん引する手法例を紹介する。
ニーズ主導でよく使われるものの代表が、デザイン思考と呼ばれる手法である。デザイン思考にも複数の方法があるが、例えば、有名なスタンフォード大学のd.schoolを例に示すと、共感・課題定義・アイデア創出・プロトタイプ・テストの5つのステップから構成される。このステップを何度も繰り返すことで、真のニーズとそれを満たす解決方法を探索することを目指す。
シーズ主導から考える際に有用な方法として、リーンローンチパッドと呼ばれる手法がある。本手法は、ビジネスモデルキャンバスの活用、顧客開発などから構成され、シーズの固有な価値を明確化し、それを必要とするターゲット顧客を探索していく。
本発表では、これらの代表的な手法について簡単にお伝えするとともに、実際の事例を示す。ヘルスケア現場/研究現場からのイノベーションを目指す皆さんの一助となれば幸いである。
「バイオ医薬品産業の競争力強化に向けて」
健康医療分野は今後の成長産業であり、政府としても内閣府・厚生労働省・文部科学省・経済産業省が連携し、研究開発や実用化を支援している。経済産業省では、従来取り組んできた創薬・再生医療分野における次世代医薬品や再生医療等製品を高効率で安定的に製造するための基盤技術の開発に加えて、今般の新型コロナウイルス対応を契機とした医薬品サプライチェーンや国内創薬力の強化に資する、新たな取組も進めているところ。今回は、これらの取組や予算事業を一つの仕掛けとして、今後、医薬品産業の成長に経済産業省としてどのように貢献していきたいと考えているかなどについて、説明する。
今般の新型コロナウイルスのパンデミックでは、我が国は国内で接種するワクチンの大部分を海外からの輸入に依存。国家の危機管理の観点から、ワクチンなどの医薬品を国内で開発・生産し、国民に迅速に供給する体制の強化が極めて重要。こうした考えの下、政府は令和3年6月にワクチン開発・生産体制強化戦略(ワクチン戦略)を決定。ワクチン戦略に基づき、経済産業省としては、ワクチン・バイオ医薬品製造拠点の整備と、創薬ベンチャーエコシステムの構築に取り組んでいる。
具体的には、平時はバイオ医薬品を製造し、有事の際には政府の要請によりワクチン製造に切り替えられる「デュアルユース生産設備」や治験薬製造拠点、医薬品製造に不可欠な培地など部素材の製造設備などの整備を進め、我が国の医薬品サプライチェーンの強靭化を図る。また、これらを含む「出口」に繋がるシーズを国内で開発するため、国が認定したベンチャーキャピタル(認定VC)が出資することを要件に、創薬ベンチャーに対して実用化開発等を支援する制度も立ち上げた。我が国の創薬ベンチャーが国内外で大きく成功するための取組を後押しし、成功事例を創出していくことで、我が国で創薬ベンチャーへの投資が集まるようなエコシステムを構築していきたい。更に、これらの取組は、令和4年度補正予算案も活用して取組を一層拡大していくとともに、次世代の治療法として期待される再生・細胞医療・遺伝子治療についても産業化に向けた取組を加速すべく、新たな支援を行っていく考え。
2013年から「ヤング・サイエンティスト・プログラム」の一環として米国研究製薬工業協会(PhRMA)の支援のもと、モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団(本部:米国ワシントンDC)とともに実施している、グローバルに活躍する人材育成を目的とした米国研修プログラムです。
具体的には、医薬に携わる日本の若手研究者を米国に短期間派遣し、米国におけるトランスレーショナルリサーチ、保健医療政策、医薬品研究、規制慣行について知見を広げ、この経験をもとに新たなシーズ創出へと活かす機会を提供しています。
派遣される日本の医療・医薬品研究分野に携わる研究者の方々は、ワシントンDC、フィラデルフィアおよびボストン等において、米国政府の医療政策部署、シンクタンク、医薬品研究部門、民間製薬会社、大学等における関係者が、それぞれ新薬開発から製品化に至るまでの過程でどのように連携しているかを含め、米国のトランスレーショナルリサーチや医療エコシステムの実情を幅広く学ぶ機会を得ています。
今回のシンポジウムにも、「マンスフィールド-PhRMA研究者プログラム」参加経験者の方々が参加予定です。
PhRMAは去る2022年11月26日、LiSE(川崎生命科学・環境研究センター)の会議室とオンラインにて、「PhRMA Translational Research Symposium~神奈川、川崎ではぐくむ日本のシーズと人材~」と題したシンポジウムを神奈川県、川崎市、川崎市産業振興財団、かながわ再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK)との共催で開催しました。
同シンポジウムは、産官学の立場で活躍する医薬における研究者が、シーズ発掘・育成などをテーマに、様々な視点からディスカッションすることで、参加者の研究意欲のさらなる向上、ひいては創薬分野で世界的に活躍できる人材を育成することを目的として実施しました。
当日はPhRMA Science & Regulatory Leadership Committee委員長の石橋 太郎氏、神奈川県ヘルスケア・イノベーション担当部長の大木 健一氏、川崎市臨海部国際戦略本部成長戦略推進部長の大山 啓祐氏の開会挨拶から始まり、イントロダクションとして神奈川県・川崎市のライフサイエンスの取組について、神奈川県の大木 健一氏、川崎市産業振興財団 殿町キングスカイフロントクラスター事業部長の髙梨 憲爾氏よりそれぞれご紹介いただきました。
第1部の基調講演では、PhRMA Translational Research Subcommittee委員長の大脇 健二氏がモデレーターとなり、産官学からそれぞれ講師を招いてご講演いただきました。
■第1部基調講演
まず初めに、エコセル株式会社 取締役CTO 小島 伸彦氏より「弱小研究室の絶望を希望にかえる大学発ベンチャーへの挑戦」と題して、研究を推進するためにベンチャーを起業したご自身の経験を紹介いただきました。
続いて神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーション研究科 教授/早稲田大学 リサーチイノベーションセンター 教授 島岡 未来子先生より「ヘルスケア現場の課題を解決したい:シーズ・ニーズマッチングの手法と事例」と題してデザイン思考やリーン・ローンチパッド、エファクチュエーションなど起業に必要な新規事業創造の方法・理論についてお話いただきました。
最後に、経済産業省 商務サービスグループ 生物化学産業課 総括係長 登崎 涼氏より「バイオ医薬品産業の競争力強化に向けて」と題して、国内ワクチン製造拠点の整備、創薬ベンチャー育成に関する政府の取組について説明いただきました。
■第2部パネルディスカッション
第2部では、PhRMA Translational Research Subcommitteeの杉田 真氏をモデレーターとして、ご講演いただいた方々に加え、株式会社RAINBOW 研究開発担当取締役・北海道大学大学院医学研究院 脳神経外科 助教 川堀 真人氏、Catalys Pacific マネージング・パートナー 高橋 健氏をパネリストとして迎え、講演を踏まえたディスカッション・質疑応答を行いました。
日本の創薬エコシステムの発展に向けて、ベンチャー経営人材の確保の必要性や、研究の実用化に向けた社会実装の取組、再生医療の可能性等に関して多くの意見が出されました。
約3時間のシンポジウムはPhRMA日本代表 ハンス・クレムによる閉会挨拶とともに幕を閉じました。
本シンポジウムの参加者からは、「研究者の支援をする企業や自治体の重要性を学んだ。」、「起業したい思いが強くなった。」、「同じような境遇を既に経験され、起業を成功されている先生方やさまざまな立場からシーズの成長にご尽力されている方々のお話を伺い、非常に感銘を受けた。」などのコメントが寄せられました。
なお、シンポジウムの前日には希望者を対象にしたキング スカイフロントの立地機関見学ツアーも開催し、ナノ医療イノベーションセンターと株式会社遺伝子治療研究所の2機関で見学や意見交換を行いました。
【シンポジウムの模様】
開会挨拶
イントロダクション
第1部基調講演
第2部パネルディスカッション
閉会の挨拶
会場の様子
【キング スカイフロントの立地機関見学ツアーの様子】
■『第5回ヤング・サイエンティスト・シンポジウム』
~がん治療薬開発に必要なBio-infrastructure とは~