サーバメンテナンスにともない下記の日程にてホームページが停止いたします。
皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
ホームページ停止日程
2023年12月28日木曜日 13:00 ~ 2023年12月30日土曜日17:00
米国研究製薬工業協会(PhRMA)
厚生労働省、経済産業省、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、日本製薬工業協会、一般社団法人 欧州製薬団体連合会
ビジョンセンター東京京橋 8階807
オンライン(Zoom)
会場参加(50名)
オンライン参加(100名)
(参加無料・事前登録制)
※会場から参加希望の場合は、申込先着順で定員になり次第締め切ります。
締切:12月6日(水)
※お申込みは締め切りました
開会挨拶 | 14:00~ | |
第1部:基調講演 |
モデレーター大脇 健二 |
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講演1
庄 剛矢 |
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講演2
「核酸医薬は万能薬になるのでは?が起業の契機:その実現に向けた現状と課題」 和田 郁人 |
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講演3
楠 淳 |
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休憩 |
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講演4
「覚悟をもってグローバル創薬に踏み出す 島﨑 誠 |
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講演5
下川 建一郎 |
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休憩 |
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第2部 | 16:30~ | パネルディスカッション
※参加者から事前に質問を募集して、それをもとにディスカッション・質疑応答を行います。 モデレーター 桑原 宏哉 パネリスト ・庄 剛矢 経済産業省 商務・サービスグループ 生物化学産業課 課長補佐 |
閉会挨拶 | 17:25~ |
PhRMA Translational Research Symposium運営事務局(株式会社ジャパン・カウンセラーズ内)
MAIL:yss@jc-inc.co.jp
第1部:講演1 講師
庄 剛矢
経済産業省 商務・サービスグループ 生物化学産業課 課長補佐
<略歴>
2017年経済産業省に入省し、資源エネルギー庁原子力立地・核燃料サイクル産業課において、核燃料サイクル政策、原子力発電所再稼働などの原子力政策を担当。その後、通商政策局米州課において、トランプ政権下での日米貿易協定の交渉・発効、バイデン政権との日米協力立ち上げなどを担当した。2021年より、商務・サービスグループ生物化学産業課(バイオ課)にて、製薬産業の競争力強化に向け、創薬スタートアップの育成や国際協力等バイオ産業政策の担当を務める。
第1部:講演2 講師
和田 郁人
リードファーマ 株式会社 代表取締役社長
現在に至る
第1部:講演3 講師
楠 淳
シニアディレクター, ジャパン・カントリーリード、アーリーイノベーションパートナーリング、ジョンソン・エンド・ジョンソンイノベーションーアジアパシフィック、東京オフィス
第1部:講演4 講師
島﨑 誠
三菱UFJキャピタル株式会社 ライフサイエンス部 部長
外資系製薬企業で通算20年間、創薬研究から非臨床開発を担当。帰国後、ベンチャーキャピタリストとして約5年間バイオベンチャー投資業務に従事。現在は、大きな成長が見込めるシーズに対し集中的にMUCAPの資金、人的リソースを投入する「厳選集中投資」に注力しており、リードVCとして創薬/医療機器ベンチャーの立ち上げから、フルコミットで会社及び経営者の支援を行っている。
第1部:講演5 講師
下川 建一郎
Headland Strategy Group:Partner
2011年より米国カリフォルニアでバイテクへの投資、日本のバイオテクに対するアクセレレータープログラム、コンサル活動などを行っている
「我が国バイオ政策の展開」
製薬産業は、国民の健康に寄与する重要な産業であるとともに、我が国の経済成長を支える産業でもあります。COVID-19のパンデミックは、国民への迅速な医薬品供給、産業競争力強化、その両者が重要であることを、改めて各国政府に突き付けました。社会経済活動の回復・維持の鍵を握る存在として、最先端のバイオ技術を活用したmRNAワクチンに注目が集まりましたが、このような先端技術を持っているかどうかに、これからの国家の命運がかかっていると言っても過言ではありません。
世界に目を向けると、米国のボストンやサンディエゴなどの地域はもとより、中国や韓国、シンガポールなどの国においても、官民がバイオ・創薬の先端技術に大胆な投資を行い、成長のスピードは一層加速しています。我が国も、激化する国際競争に負けることの無いよう、取組みを強化しています。
経済産業省では、創薬・再生医療分野において、令和3年度・4年度補正予算で総額約7000億円を措置しました。新薬創出の鍵を握るベンチャー企業に資金や人材が循環するエコシステムの構築を加速すると共に、平時は企業のニーズに応じたバイオ医薬品を製造し、感染症パンデミック発生時にはワクチン製造へ切り替えられるデュアルユース設備の整備や、培地など部素材も含めたサプライチェーンの強靭化を進めています。また、再生・細胞医療・遺伝子治療の産業化には、提供件数を増やし、収益性の向上を図ることが重要であることから、患者さんが安心して治療を受けられる環境を作るため、医療機関や学者、企業等が集結し、開発から製造に係る品質確保を一体的に行う拠点を整備しています。
本講演では、上記の取組の詳細やその背景についてご説明します。
「核酸医薬は万能薬になるのでは?が起業の契機:その実現に向けた現状と課題」
「核酸医薬が万能薬になり得るのだろうか?」これは、大学四年生の時に核酸医薬に出会い、感じた最初の感想です。ヒトゲノムが解読された現代において、設計された核酸を自動合成機で迅速に合成できる核酸医薬の将来性に、大いに魅力を感じ、大阪大学でその研究を開始しました。中高生時代、身近な人が重い病を患い、薬の副作用で苦しむ様子を目の当たりにした経験から、「もっとうまく薬を作れるはずだ」と思い、創薬の道を選びました。核酸医薬でそれを実現できるかもしれないという期待を抱きました。しかし、研究を進める中で数多くの課題に直面し、それらを研究室で一つずつ解決し、国立循環器病研究センターとの共同研究で創薬に応用していきました。成果は霊長類での有効性も示し始め、核酸医薬を万能薬へと導く第一歩として、私たちの会社を設立しました。
スタートアップの世界について無知のまま飛び込んだため、設立後は「事業計画とは何か?」「資金調達はどうするの?」「知的財産はこれで良いのか?」といった基本から学びながら、多くの方々の助けを借りて研究開発に専念できる体制を整えてきました。現在は、核酸医薬(特にアンチセンス核酸)の標的選択性と安全性を大幅に向上させる技術を強みとし、大学などの研究機関と共に創薬を進めています。
当社は、実験データが充分に蓄積された段階にあり、製薬企業とのアライアンスを結ぶことが現在の重要な課題です。特に、比較的新しいモダリティである核酸医薬に関しては、グローバルな展開が鍵となります。人との繋がり、製薬企業のニーズ、資金、言語の壁など、日々数多くの困難に直面しています。
この発表では、当社の事業内容を紹介し、グローバルな展開を含め、実際に直面している課題について、アカデミア発のアーリーステージのスタートアップ企業としての視点でお話しします。
「J&J Innovationの日本における取り組み」
Johnson & Johnson Innovationは、米国Johnson & Johnson (J&J)社の1部門として2013年に設立され、J&Jの事業領域や周辺領域における早期技術や創薬シーズを探索・発掘し、J&J研究開発部門に橋渡しをすると共に、共同研究契約やライセンス契約締結などの事業開発業務を担当している。
日本では多くのノーベル賞学者を輩出するなど、アカデミア研究には強みがあるものの、その研究成果を社会実装につなげることに関しては多くの改善点があり、特にヘルスケアや創薬の分野では、欧米に比べて後塵を拝しているのが実情である。モダリティーの多様化や科学技術の進歩に伴う新薬の研究開発費高騰、成功確率の低下、リスクを回収する場としての日本市場の魅力度の相対的低下など、新規医薬品や周辺技術の研究開発を目指す研究者、起業家ならびに企業にとっては厳しい状況であるにもかかわらず、当初より欧米市場を念頭に置いた人材育成・交流、情報共有や研究開発活動が十分に行われていないことが、日本における根本的な課題であると考えている。
J&J Innovationでは、本課題に対する活動として、2014年に日本オフィスを開設した当時より、アカデミアにおける基礎・応用研究プロジェクトやスタートアップ企業を対象としたメンタリング・コーチングならびに研究公募事業やピッチイベントなどの取り組みを継続的に行い、日本におけるヘルスケアエコシステムの構築とそのグローバル化に対して微力ながらお手伝いをしている。本講演では、これまでの弊社の取り組みや経験について共有させて頂きたいと考えている。
「覚悟をもってグローバル創薬に踏み出す
ベンチャーキャピタルの視点から」
米国型の創薬エコシステムである、ベンチャー企業のシーズを製薬企業がライセンス導入し、迅速に開発、市場に投入する流れが加速した契機は、Genentech のバイオ医薬品分野での成功であると言われている。現在の医薬品シーズの研究開発は欧米のベンチャー企業が牽引しており、FDAが2017~2022年に新規承認した医薬品のうち1980年以降に設立された企業が起源となっているものは、米国では74%、欧州では40%を占める一方、日本はゼロという残念な事実も存在する。
日本はスタートアップにおける社会実装が苦手という認識は産官学も広く共有しており、10年以上前から「日本にも創薬エコシステムを構築すべき」、「バイオベンチャー振興のためには、まずは成功事例を出すことが必須」との考えでアカデミアやベンチャーに対しヒト・モノ・カネに関連する様々な支援がなされてきたが、成功事例を生み出す有効な決め手にはなっていないのが現状ではないだろうか。
私が欧州製薬会社の研究者から日本の総合金融グループのベンチャーキャピタリストとなったのは、海外でも日本の技術に対する評価は高いのに、なぜ事業化が成功しないのだろうか、という疑問を持ったことがきっかけで、真の課題、解決策を見つけて日本の支援をしたい、という思いだった。これまでの製薬プロジェクトや創薬ベンチャーに対する投資活動の経験から強く感じているのは、やはり「経営人材」が最も重要ということである。国の資金支援・投資家の資金は大幅に充実してきた。一方、起業する人材、本当の意味でのグローバルでのビジネス経験のある専門家・メンターが不足、外部専門家との連携、ネットワークが不十分な状況は続いており、ここにはブレークスルーが必要であると考えている。
弊社投資先でも海外での事業展開に乗り出す会社が増えてきた。「覚悟」を持ってグローバル創薬に挑戦する人材をVCとしても本気で支援していきたいと考えており、本日の講演がその一助となれば幸いである。
「日米のバイオテク産業を取り巻くエコシステムについて」
日本は世界でもトップクラスのライフサイエンスイノベーターである。生命科学分野では、日本は1949年以来25人のノーベル賞受賞者を輩出しており、そのうち20人は2000年から2020年にかけての受賞者である。この受賞者数は米国に次ぐ2番目である。毎年発行されているGlobal Innovation Indexによると、2020年のイノベーションの質において、日本は米国、スイスに次ぐ3番目となっており、それ以前のデータでも常にトップ3に入っている(2018年は1位)。しかし、同Indexにおいて、商業的イノベーションを比較してみると、2020年は全世界で16番目という数字になっており、例年13-16位の間に位置している。
では、このギャップを生じさせているのは何か?
一つには日米間での出口戦略の意識の違いが存在すると考えられる。日本の起業家が目標とする出口として70%を超える人はIPOを目指すのに対し、米国では90%の起業家はライセンス、M&Aを目指すというデータがある。米国ではIPOは出口というよりは資金調達のイベントの一つと考える起業家が多い。2017年から2023年の間に起きた日米のライセンス、M&A、IPOなどのデータからも考察をしてみたい。
また、日米間のエコシステムを取り巻く環境にも違いがある。バイオテクが事業を進めるためにはヒト・モノ・カネの3つの重要な要素があるが、日本ではモノ以外の部分ではまだまだ未熟である。その理由の一つとしては、日本人は米国に比べてかなり保守的であり、リスクに対する許容が低いという国民性があると考える。米国では起業家が直面するリスクを低減するためにアクセセレータプログラム、メンターシップなどが積極的に行われており、日本でも徐々にではあるが取り組みが始まっている。ただし、日米ではメンターシップの考え方や実践に違いがあると感じている。
Headland Strategy Groupでは、数多くの日本の企業のコンサルティング、スタートアップへのサポートを行ってきた。弊社が取り組んでいるサポートについても紹介したい。
2013年から「ヤング・サイエンティスト・プログラム」の一環として米国研究製薬工業協会(PhRMA)の支援のもと、モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団(本部:米国ワシントンDC)とともに実施している、グローバルに活躍する人材育成を目的とした米国研修プログラムです。
具体的には、医薬に携わる日本の若手研究者を米国に短期間派遣し、米国におけるトランスレーショナルリサーチ、保健医療政策、医薬品研究、規制慣行について知見を広げ、この経験をもとに新たなシーズ創出へと活かす機会を提供しています。
派遣される日本の医療・医薬品研究分野に携わる研究者の方々は、ワシントンDC、フィラデルフィアおよびボストン等において、米国政府の医療政策部署、シンクタンク、医薬品研究部門、民間製薬会社、大学等における関係者が、それぞれ新薬開発から製品化に至るまでの過程でどのように連携しているかを含め、米国のトランスレーショナルリサーチや医療エコシステムの実情を幅広く学ぶ機会を得ています。
今回のシンポジウムにも、「マンスフィールド-PhRMA研究者プログラム」参加経験者の方々が参加予定です。
PhRMAは去る2023年12月9日、東京ビジョンセンターの会議室とオンラインにて、「PhRMA Translational Research Symposium~日本発創薬スタートアップのグローバル展開に向けて~」と題したシンポジウムを開催しました。
同シンポジウムは、トランスレーショナルリサーチ(TR)の次のステップとして国内スタートアップ企業設立後に必要な視点や課題に関して、創薬支援を行う企業・行政やスタートアップ企業を立ち上げた研究者の経験を元に発表、議論することを目的として実施しました。
当日はPhRMA Science & Regulatory委員会委員長の高田 渉氏の開会挨拶から始まりました。
第1部の基調講演では、PhRMA Translational Research Subcommittee代表の大脇 健二氏がモデレーターとなり、企業・行政機関よりそれぞれ講師を招いてご講演いただきました。
■第1部基調講演
まず初めに、経済産業省 商務・サービスグループ 生物化学産業課 課長補佐の庄 剛矢氏より「我が国バイオ政策の展開」と題して、バイオ分野に対する日本と世界各国の政策動向、創薬ベンチャーエコシステムの整備などの取組やその背景ついてご説明いただきました。
続いてリードファーマ株式会社 代表取締役社長 和田 郁人氏より「核酸医薬は万能薬になるのでは?が企業の契機:その実現に向けた現状と課題」と題して、アカデミアの研究者としてスタートアップ企業を設立されたご経験から、今後のグローバルな拡大に向けての課題についてご説明いただきました。
続いてジョンソン・エンド・ジョンソン イノベーション ジャパン・カントリーリード シニアディレクターの楠 淳氏より「J&J Innovationの日本における取り組み」と題して、製薬企業としての日本での取り組みについてご説明いただきました。
続いて三菱UFJキャピタル株式会社 ライフサイエンス部 部長の島崎 誠氏から「覚悟をもってグローバル創薬に踏み出す ベンチャーキャピタルの視点から」と題して、経営人材の重要性や、実際の現場で何が起きているのか、浮かび上がっている問題点についてご説明いただきました。
最後にHeadland Strategy Group Partnerの下川 建一郎氏より「日米のバイオテク産業を取り巻くエコシステムについて」と題して、グローバルで多角的な視点から、日本のスタートアップ企業に求められていることについてご説明いただきました。
■第2部パネルディスカッション
第2部では、東京医科歯科大学 脳神経病態学(脳神経内科)/統合イノベーション機構 講師の桑原 宏哉先生をモデレーターとして、ご講演いただいた5名の方々によるディスカッション・質疑応答を行いました。
日本発の創薬スタートアップのグローバル展開に向けて、求められるエコシステムの在り方や人材育成の重要性、ビジネスとしての創薬支援に関して多くの意見が出されました。
約3時間半のシンポジウムはPhRMA日本代表 ハンス・クレムによる閉会挨拶とともに幕を閉じました。
本シンポジウムの参加者からは、「日本として創薬スタートアップを盛り上げていく機運を感じた。」、「世界から見た日本の立ち位置の認識を最新のものにでき、大変有意義だった。」、「それぞれの立場から忌憚のない意見が聞けたことで、問題とその解決策に対する真剣さを感じた。」などのコメントが寄せられました。
【シンポジウムの模様】
開会挨拶
第1部基調講演
第2部パネルディスカッション
閉会の挨拶
■『第5回ヤング・サイエンティスト・シンポジウム』
~がん治療薬開発に必要なBio-infrastructure とは~